失恋が怖い理由

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現代の若い人達を見ていると、自分たちが恋愛をしていると思っていても、自分と相手の愛し方を常に量りではかって、相手の方が自分を好きでなければ損だと思っているように見えて仕方がない。

バランスのいい状態になるのは難しい。

恋愛といっても相手の自分に対する愛し方と自分の相手に対する愛し方は同じとは限らないのである。

しかし、最近の若い人たちは常に相手の方が自分の事を好きであってほしい傾向が強い。

自分が相手を好きであるよりも、好きでいてほしいのである。 

愛するよりも愛されたいという心理が強いのは、心理は失恋を恐れるからである。   

人間の気持ちというのは、はっきりと目に見えるわけではない。

かりに、物や形のあるものを要求する。

だから、愛しているのならば、「クリスマス・プレゼントにティファニーのペンダントが欲しい」とか「もっと雰囲気のある、お店に連れて行って欲しい」と要求する。

いつも自分が得をしたいし、相手から愛されていると思えることで、自分に自信を持つことが出来る。 

自分が傷付きたくないという心理がどこかにある。

まり、自分の方が相手を愛していて、こちらの方のバランスが重くなってしまったら、自分の方が相手にしがみつくことにもなる。

そして、もし相手が自分から離れて行くことになったら、傷つくのは自分の方だと考えるのである。

プレイボーイの男性が女性と別れたい場合に、うまい別れ方というのは、自分から別れ話を切り出すのではなく、相手から切り出すように仕向けて、自分が振られた役割をする。

そうすれば、相手の自尊心が傷つかずにスムーズに別れることが出来る。しばしば女性は、その相手との関係が壊れそうな場合には、自分の方から別れる。

つまり、その関係を引きずっていると、結局は相手から振られるのがわかっているので、自分の方から相手を振って自分の自尊心を少しでも傷つかないように防衛することがある。

本当に恋愛をしたら、そんな駆け引きなどはどうでもよくなってしまうもので、本当に別れたくないのならば、時には相手にしがみついてもいいではないか。

何をしても、駄目になるものもある。そこで失恋をしたら、自分は何て不幸なのだろうと思うかも知れない。

自分は一生立ち直れないのではないかと思えるくらい打ちひしがれる事だろう。 また、失恋をすることで、自分が嫌になってしまうことがあり、もはや自分のことを素敵だとも思えなくなる事もある。

愛されることによって、「自分は素敵だ」とか「俺はいい男なんだ」と思えていたものが、全部ひっくり返ってしまう。

失恋することを恐れる心理は、自分が可愛いいから、また、自分を守ろうとし過ぎるから生じるのである。勿論、誰でも人に嫌われるのは嫌なものである。 

だから、いい子として振る舞おうとするし、また人に嫌われないほうが世間を渡っていくにも得である。

でも、時には自分の気持ちを貫いてみることだ。人に嫌われたり、人間関係に摩擦が生じることを恐れていても仕方がない。

いつもいつも、人から嫌われまいとして、いい子として振る舞っていたら、自分というものが失われてしまう。だから、もう一度自分を振り返ってみてほしい。

失恋という貴重な体験が人を大きく成長させる。

私は日常で自分を守ろうと、冒険を極力避けようとする人にしばしば出会う。

そんな人を見るとバリアを張って自分を守ってどうするのと言いたくなる。 失恋すれば、勿論傷つくし、不幸のどん底に落ちたような気にもなる。

でも、一度落ちたら、また這い上がればいいのである。

相手と自分の愛する量を量りにかけているような状態は、本当に恋愛をしているとは言えない。

愛というのは、そんな計算をしても計算など吹っ飛んでしまって、勝手に気持ちが動いてしまうものなのである。 

もし、そんな計算をしていられるのならば、それは恋愛ゲームとか疑似恋愛と言えるようなものでしかない。

失恋などしたことがないという人は、かえって不幸な人生を送っている。 それは本当の恋愛をしたことがないと言えるからである。

一瞬であっても、恋愛のきらめきを体験したならば、例えその恋愛が失恋という結果に終わったとしても、とても素晴らしい体験をしたのである。

失恋の痛手から立ち直った時には、きっともっと素晴らしい自分になっているはずである。「恋愛は人間を成長させる」と言った心理学者もいる。

また、女性は異性との関係で自己の成長を確認するとも言える。

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