●考えない食べ方レッスン 「こころのトレーニング:傾注観察」
こんにちは メンタルヒーrングルーム心理セラピストの金澤です。
食べ物を口に入れるためには動作が必要ですね。
その動作ひとつひとつをぼんやり考え事をしながらではなく、鋭敏に意識を置いていってみましょう。
手の筋肉の動きを感じ取りながら、手を伸ばします。
食器をつかんだ際に、いま触れたなという触感を感じ取ります。
そうして口に持っていきます。
口に入ってきたという触感、舌に触れた触感を感じます。
しかし、そこですぐに噛みはじめてしまわずに、手に持った食器をいったん元の場所に戻しましょう。
お箸を使って口に何かを入れたら、お箸もいったん下においてください。
おきながら噛むとか、お箸を持ちながら噛むというようなことをすると、意識がいろいろなところに分散してぼんやりしたすきに余計な思考が始まり、食べることに集中しにくくなります。
そして食物が口に入ってきたら、噛むことや味や触感に集中しやすくするため、便宜上、目を閉じて、見ることを遮断してください。
噛みはじめると、口の中でだんだん食物がバラバラになっていきます。
バラバラになっているものが下にあたります。
普段は下の動きに注意を払うことなどないかもしれませんが、気をつけてみると、舌は絶えず動いています。
口の中を舌がまわりながら、食物をかきまぜたり、味を感じたり、感触を感じたりしているでしょう。
膨大な情報量がそこにありますが、普段は考え事や、他のことを気にしながら食べているので、その情報は切り捨てられてしまっています。
舌に感じられている食感や味を通じて、これはどういう食品であるからどれくらい食べるとか、どんな栄養素があるかとか、そういった情報は普段ですと、思考のノイズのために絶えず抜け落ち続けています。
でも、いまはそれに留意して、舌が動いている、いま舌がここにある、触れた、移動した、食物が流動化したことによって、より滑らかにドロドロになっていく。
味が変化した、食感が変わった、味が変わった、食感が変わった、・・・という具合に、舌の感覚をずーっと追いかけながら、感じ続けてみましょう。
飲み込むときも無自覚に飲み込まずに、今飲む、いま飲んだということを意識するようにしてみましょう。
一歩遅れでも構いません。あ、気づいたら飲み込んでしまっていたなぁと、そのときは「はっ」と気づいておいてください。
その瞬間、瞬間に移り変わっていく情報を感じ取っていたら、あまりにも忙しすぎて、考えごとをしている暇などなくなるはずです。